
Kyoka 大阪府出身
イギリス・ロンドン|美容師 ヘアスタイリスト
東京でスタイリストデビュー後、カナダ・トロントでのワーホリ、日本での一時帰国を経て、現在はイギリス・ロンドンのサロン「HACO+」で活動。SNSでの発信でも知られ、インスタグラムのフォロワーは約7.3万人を抱える人気ヘアスタイリスト。
美容師の道に進み、東京でスタイリストデビュー。自分のやりたいこと探しにカナダ・トロントへ。そこで現地のライフスタイルの豊かさや日本との働き方の違いに触れて、日本に帰国。そして再びロンドン 美容師としてのキャリアを決意。インスタグラムのフォロワーは約7.3万人を抱える人気ヘアスタイリストKyokaさん。まさに次世代の美容師アイコンのような存在。自分自身の好奇心と直感を信じて今までのキャリアを切り開いてきた彼女のキャリア設計についてインタビューさせて頂きました。
直感的に「美容師になる」と決めた

美容師になったきっかけは、結構シンプルでした。中学校を卒業して、高校に上がるタイミングで、進路を決めないといけないじゃないですか。私はもう本当に勉強したくなくて(笑)。 働きたい気持ちの方が強かったんです。
ですが親からは「高校は絶対に行ってほしい」と言われて。
しぶしぶ高校を探していた時、私立のパンフレットの中に高校卒業と美容師の資格が取得できる学校を見つけたんです。「あ、もうこれだ」と思って、親と一緒にオープンキャンパスに行きました。実際にカットを体験してみると、「めっちゃおもろいやん、これ!」ってなり、そこから「私は美容師になる」と決めました。中学3年生の時です。私、結構直感で動くタイプで、「これだ」と思ったらもうそれ以外考えれないっていう感じなんです。結局親の希望で進学は普通の高校にしたんですけど、その時にはもう、卒業したら美容学校に行くことは心の中で決まっていましたね。
海外への憧れ

海外への興味は、わりと昔からずっとありました。というのも、私の家族に海外思考の人が多くて。 いとこがハーフ、帰国子女だったり、叔父が世界一周をして日本にいなかったり。皆んなあちこち行っていて。私も小さい頃から海外に遊びに行く機会がすごく多くて。1ヶ月くらい海外に滞在したりする機会もありました。
その影響で、「いつか海外に行きたい」とは、ずっと思っていたんです。中学生の時に留学する話が出たこともありました。でもその時は、ビビってできなかったんです(笑) そこから、美容師の道に進んで、スタイリストになったくらいのタイミングで、「あれ、毎日同じ事の繰り返しだな」と思う機会が増えていき、次は何がしたいんだろうと考えた結果、海外への憧れがまた一気に湧き起こってきたんです。
何か新しいものに触れたくて

東京では、都内のサロンで合計3年半程アシスタントをして、23歳でスタイリストデビューをしました。スタイリストデビュー後、人それぞれですが、売上に伸び悩んだりするじゃないですか。私の場合は、アシスタント時代からSNSに積極的に向き合っていたので、集客に困ることも、売上に悩むことも、正直あまりなかったんです。
なので、ありがたいことにトントン拍子で進んでいくことができました。気がついたらサロンワークして家に帰って、またサロンワークして。毎日同じ事の繰り返しだなと、仕事へのマンネリみたいなものを感じ始めました。
デビューして半年少しして、環境を変えるために「海外へ行きたい!」と強く思い始めました(笑)
私自身ライフステージやキャリアの中で、きっとこのタイミングで、こういう出来事に苦労するだろうなというのを、先に見越して動くタイプなんです。なので、スタイリストデビューに燃え尽きて、スタイリストとしての壁にぶつかる人もいる中で、かなりスムーズにキャリアを重ねることができました。その中で、自分という存在を美容師として多くの人に知ってもらうことが出来ました。だからこそ、次のステージに行きたくなったのかもしれません。
当時のオーナーには「海外に行きます!」と言ったら、背中を押してくれて、すごく有難い環境にいたんだなと実感しましたね。
最初の海外生活は、カナダのトロントへ

行き先は、カナダのトロントに決めました。ワーホリで、丸1年いました。理由はすごくシンプルで。ニューヨークに近いことと、親戚が住んでいたこと。本当はアメリカに行きたかったんですけど、ビザがすごく厳しくて、今は難しいなと。だったら、ニューヨークに近くて、初めての海外生活でも何かあったら助けてくれる親戚が住んでいる場所がいいなと思い、カナダのトロントにしました。
お金は、半年で200万円くらい貯めました。デビューして9月頃に「行く」と決めて、渡航したのが翌年の4月。その半年間、雇用形態をフリーランスに変えてもらい、仕事に集中して貯めました。本当は「辞めます」と伝えましたが、オーナーが「半年だけなら、ここでやりなよ」と言ってくれて、半年間お世話になり、お金を貯めて、カナダへ行きました。最初の1ヶ月は親戚の家に泊めてもらいながら、住む家を探しました。日本みたい 1人で住むことは、よほどお金がないと難しいので、基本はみんな家をシェアして住んでいます。
語学学校は1ヶ月。働くほうが、英語力が伸びる気がした

カナダのトロントでは、語学学校にも通いました。ILSCという学校で、本当は2ヶ月契約だったんですけど、実際に通ったのは1か月くらい。後半は、ほとんど行かなくなっちゃったんです(笑)
というのも、3〜4週目くらいから、ちょこちょこ美容室で働き始めました。そっちのほうが、断然英語力が伸びる気がしたんです。語学学校は、自分と同じレベルの人と話すことがメインなので、お互いにその英語が合っているのか分からないまま喋っている。ネイティブと話すと、確実にネイティブが正解なので、学校に行っているより、働いているほうが、英語も伸びるし、楽しいし、稼げるし、おもしろいやん!って。なので語学学校は、友達を作りに行く場所でしたね。
学校に通っていた1ヶ月は、面白くて。いろんな国の人が集まっていましたが、その中でもブラジルやコロンビアの陽気な国から来る人たちは勢いがすごかったです。彼らの発言力は凄まじくて。私自身、日本では結構話す方なんですけど(笑)、それを超えてくる勢いで、授業を聞いていないような態度なのに、いざ発表になると「私がやる!!」ってなって、取り組み方が日本人とは全然違いました。日本人は、姿勢正しく、真面目に聞いている。発言力のある南米と、静かなアジア勢のちょうど間に立っているのが日本人だなと感じました。どちらの良さも見えて、「日本人でよかったな」と思う瞬間が海外にいると感じる機会が多いですね。
あえて職場は、ローカルサロンを選んだ

働くサロンは、なるべく「海外っぽい」ところがよかったので、日系は避けたかったんです。でも、東京にいた時の「おしゃれなところで働きたい」という感覚が、どうしても残っていて。インスタでずっと探していたら、あるサロンのアカウントが出てきて、「ここ、空間がおしゃれそうだな」と。そこにDMを送りました。
そうしたら、そこのオーナーが、たまたま東京に来ているタイミングで。「カフェでも行きますか?」となり、一度会って、いろいろ話して、「トロントに来たら、また教えて」となりました。なので、行く前に働く場所は確保できていたんです。オーナーは、香港系ニューヨーク育ちの方で、日本語は一切話せない。1対1で働いていたので、英語でしか会話ができない。この”ローカルサロン”という環境こそが、私にとってすごく大きかったと思います。住んでいた親戚の家も、みんな英語しか話さない環境なので、ご飯を食べる時も英語しか飛び交わない。今思えば、環境を全部英語にしないと英語を話せるようになることは難しいんだなって思います。私は勉強が本当に続かないタイプなので(笑) 英語を勉強したとは言えないレベルなんですけど、環境のおかげでなんとかなったんじゃないかなと思います。
一度日本に帰国して、感じたこと

カナダの美容師生活は、すごくプライベート重視でした。1日5〜6時間程しか働かないし、お客様も3〜4人程。それでいて、チップ文化なので、稼ぎはちゃんとある。ノンストレスで、すべてが満たされている感じ。最初はそれが楽しいなと思いました。
ですが、ビザを延長するつもりで2月に一度、日本に一時帰国した時に気持ちが変わったんです。日本でバリバリ美容師をやっている友達と話していたら、「私、なんでカナダで美容師してるんだろう」と、ふと思ってしまって。キャリア志向だったはずが、いつのまにか、すごく自分のパーソナルライフのほうに寄っていた自分に気付きました。バリバリ働いている友達の方がなんだかいいな、と感じたんです。それで、「延長する必要ないかも」と思い、丸1年でカナダから帰国することにしました。
暗く感じた、東京の街

帰国したはいいものの、いざ「東京で美容師をやるのか」と思ったら、東京がなんだかすごく暗く感じたんです。うまく言えないですけど、みんな何かに悩んでいて。何かを突き詰めるのはすごくいいことですが、それは本当にあなたの幸せですか?と、自分自身を見失っている人が多い気がしました。そこで、今の私は東京じゃないと感じました。
東京では美容室を探さずに、実家のある大阪に一度帰りました。「何がしたいのかな」と考えていた時に、東京のサロンでお世話になっていた方が、神戸で美容室を出していて、「2店舗目を出したい」という話をしていたんです。その中で、新しい店舗のブランディングを任せたいというお話をいただきました。「やらせてください!」と知らない世界を知りたいワクワク感で新しい環境へ飛び込むことにしました。
神戸で店づくりを経験して、気づいたこと


1年程フリーランスで美容師をしながら、新しいお店をどう作るかというのを一緒にやらせてもらいました。お金周り以外の、店の設計や中身を全部一緒に考えて、試行錯誤しながら経験させてもらいました。やったことがない未知の世界だったので、すごく面白かったです。
お店ができたタイミングで、東京にもお店を出すという話になりましたが、全然ワクワクしなかったんです。一度経験した「お店を出すこと自体」に、ワクワクしなくなっていました。お金周りのリスクは背負わず、楽しい部分だけやらせてもらった状態で、自分でお金のリスクを背負って、従業員を雇って、その人たちの人生まで背負うと考えたら、自由がないし、全然やりたくないなって思いました。かといって、お金を出資してもらって系列でお店を出すのも違う。多分燃え尽きちゃったんです。「じゃあ、次、何しよう」となった時にやっぱり出てきたのが「海外」でした。自分が今やりたいことは、日本にないんだなと思いました。
イギリス・ロンドン行きを決意

次の行き先は、イギリス・ロンドン一択でした。迷いもしませんでした。理由は、ロンドンには「東京のようなコミュニティ」があるんじゃないかなと思ったからです。美容師の形って、本当にいろいろあるんです。バリバリ業界で働く人、プライベート重視の人、いろんな美容師がいます。東京はそれがギュッと集まっている街だなと感じていて、ロンドンにも同じ空気を感じたんです。
サロンはインスタで探しました。ロンドンの美容室を調べると、インスタをしているのは、ほとんどは日系サロンなんですよ。英語は一度ローカルのサロンで学んだので、どうにかなるだろうと思い、それよりも日本の美容師さんと働く方が新しい学びがあるんじゃないかなと思って、日系サロンを選びました。それが今のサロン、「HACO+」です。
あえて「知らないスタイル」のサロンを選んだ

HACO+を見た時、私が今までやってきたのとは全く違うスタイルばかりでした。カットもカラーも、「何これ?」というものばかり(笑) 真逆でした。でもだからこそ、学びだと思ったんです。技術の幅が広がるし、知らないことが多い方が、面白い。
HACO+のオーナー宛にDMをしました。オーナーは日本とロンドンを行き来している方で、ちょうど日本に滞在しているタイミングだったので、東京で会いましょうとなって、お話しして、入ることになりました。
カナダとロンドンの違い

カナダとロンドン両方で美容師をやってみて、本当にそれぞれのスタイルがあります。人も、文化も。ブリティッシュは、結構日本人に近い感じがします。アメリカやカナダは、みんなが想像する「ザ・外国人」という感じです。カナダは、服は基本ヨガスタイルで、パーソナルライフ、という感じ。髪を半年、1年切っていない人も普通で(笑) だから、カットするのはメンズが多くなる。美容への向上心は、日本人が1番というか、アジア人がやっぱりすごいんじゃないかな、と思います。
ちなみに、ロンドンで2年を終えた人は、ビザの関係で、アムステルダムやベルリンに行くことが多いようです。ヘアアーティストだとパリ。ベルリンはロンドンよりもっと尖っている印象。最近は、コペンハーゲンもファッションのコレクションが出てきたりで勢いを感じています。
SNSとの向き合い方


アシスタントのころからSNSと向き合っていたのもあり、集客に困るのことはありませんでした。SNSとの向き合い方には、何度も考えることが多かったです。
東京にいた時は「今の時代、SNSは絶対にやるもの」という感覚でした。カナダでは「別に、やらなくてもいいじゃん!なんでこんなに執着してたんだろう」と思い、投稿する機会がすごく減りました。その中で、楽しい!と思ったタイミングで発信したら急激に伸びたんです。
日本に帰国して、今度は発信したいものがなくて。自分が楽しいと思えていないのに発信しても、良いものを共有できない。「なんで、こんなことしてるんだろう」と、すごく考えました。
ロンドンに来て、またやる気になりました。そのきっかけは、私のインスタを祖母も見ていること。国として離れているから、私が投稿しないと、「最近、大丈夫?」と心配されるんです(笑)。そういう目線で見ている人もいるんだと気づいた時、投稿しない理由がなくなったというか、見てくれている人に、今の心境報告をすることは大事だな、と。今は、そういう支えてくれている人たちのために、そして、自分が楽しいと思うものを発信する。それだけです。不思議なんですけど、「やらなきゃ」で投稿している時と、「これ共有したいかも」で投稿している時とでは、アカウントの伸び率が全然違うんですよ(笑)。多分投稿に気持ちが乗っているんだと思います。
東京は、SNS集客に固執しすぎているなと感じることがあります。今の時代難しいですが、集客の方法はSNS以外にあると思います。コミュニティを増やして、その派生で繋がるもの。海外に来ると特にそう感じます。
ロンドンで気付かされた、美容師のレベル

正直に言うと、ロンドンに来て、美容師に対する考え方が変わりました。「私、美容師を舐めていたな」と思いました。
SNSで上手くいきすぎたせいもあって、SNSで集客できる時代だから、それを見て来てくれるお客さんがいて、ある程度の人間性と、ある程度の技術があれば、成り立ってしまう。お客様は美容師じゃないから、何が上手かなんて、正直分からないと思うんですよね。でもロンドンではそれが通用しないんです。SNSを見て来てくれる方ばかりじゃない。自分にまったく紐づいていないお客様を担当する機会がたくさんあります。そうなると技術の幅が日本ではすごく狭かったんだな、と痛感しました。
だから今は悔しい場面がいっぱいあります。
でもそれが、やりがいになっている。「自分って、できないんだな」と思わされるポジションに、身を置けている。これはすごくいいことだなと思います。成長を感じたい人、刺激が欲しい人は、絶対に環境を変えて美容師をするべきだと思います。言語の壁も、技術の壁も、コミュニケーションの壁もあって、違う分野のことも知れる。全部の良さを感じられる。それに今、カットが本当に楽しいんです。ちゃんと向き合えていなかったからこそ、全力でやってみたら、「めっちゃおもろいやん!」ってなって、それが今の自分なのかもしれない!と思えてきたんです。
これから海外をめざす人へ


最後に、これから海外を目指す人へ。 本当に行きたい人って、行くかどうかに悩まないんですよ。結婚していても、どんな状況でも来る人は来る。だから、「行きたい」という気持ちが少しでもあるなら、私は100%、「行った方がいい」と言います。違う世界を見るべきだし、視野が広がります。でもそこで「うーん」と悩んでしまうなら、それは、今行くタイミングじゃないのかもしれない。選択権は、全部自分にあります。


もし海外に行くのが怖いと思うのなら、日本で環境を変えるやり方もあります。外国人のお客様が来るようなお店で働くとか、外国人の恋人を作るとか。英語を話せるようになりたいだけなら、日本でもできる。大事なのは、「今の自分が本当に、何を手に入れたいのか」ステータスとか、全部外して考えた時に、答えが「海外」なら、来るべきだと思います。可能性は無限大なので、ぜひ積極的に自分らしい一歩を踏み出してもらいたいですね。
Kyoka 大阪府出身
イギリス・ロンドン|美容師 ヘアスタイリスト
東京でスタイリストデビュー後、カナダ・トロントでのワーホリ、日本での一時帰国を経て、現在はイギリス・ロンドンのサロン「HACO+」で活動。SNSでの発信でも知られ、インスタグラムのフォロワーは約7.3万人を抱える人気ヘアスタイリスト。
BLUE CANVAS編集部
SNSを武器にキャリアを駆け上がり次世代スターダムまで駆け上がったKyokaさん。2カ国の海外生活の中で自分が感覚的にやりたいことを追求する姿と、自分自身のまだできていない部分を客観的に感じながら日々美容師として仕事に取り組む姿勢がとても印象的で素敵に感じました。














